鉄ファンbaijingのブログです。鉄道や日常生活の出来事を綴っていきます。


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2007/09/30

2つの近鉄~Part 1~

明日10月1日は近鉄関連の鉄道ファンにとって特別な一日であります。
そう、伊賀線が経営の主体を近畿日本鉄道から伊賀鉄道にバトンタッチする日です。
まもなく見納めとなる伊賀線の近鉄としての姿を一目見ようと、
9月24日は滋賀への乗りつぶしを兼ねて、伊賀の里を訪れることにしました。

第一部として取り上げるのは、新たな節目を迎えようとする伊賀線のお話。

大和朝倉を始発で出発し、伊賀神戸に到着です。
数分後にやってきたのは標準塗色の860系でした。



伊賀線の車両は嘗て田原本線や生駒線を走っていた
2扉ロングシート車両の820系の車体に、
南大阪線系統の6800系の足回りを組み合わせた860系が使用されています。
800系を改造した880系も活躍していましたが、
1993年に全廃され残念ながら存在しません。
裾は真っ直ぐですが、底の方が丸みを帯びています。
また車体幅が狭くドアステップが取り付けられています。
2400系などを横に狭くした顔つきをしており、
多少違和感はあるものの、指で貫通扉部分を隠してみると、
本線系で活躍している抵抗制御車両と非常によく似ています。
側面窓はそれぞれ孤立しており、
丸みを帯びているためにかわいらしい印象を受けます。
(運賃箱の部分は若干縦に短くなっています)
このように車両が非常に個性的で、
本線系では見かけない異色さが私は好きです。



猪田道にて↑

伊賀線はローカルムードがばっちりで、
近代化の進む近鉄の嘗ての姿を残している路線だと思います。
線路状況が良くないため揺れは大きいものの、
ワンマン放送とうまく調和して懐かしい雰囲気が出ています。
個人的に揺れの大きい車両は好きです^^
本数も決して多いわけではありませんし、車内の汚れは目立っているものの、
不思議と今のままでいて欲しい気になります。
また、伊賀線は地域との密着を重視しているためか、
忍者列車があったり、側面窓に忍者のキャラクターや
沿線の名勝をモチーフにしたシール
が張ってあったりします。
そこもまた好きです。
上野市で数十分撮り鐵をした後、乗り換えて伊賀上野に向かいました。



近鉄仕様の駅名表示↑
↓シールのイラストは車両によって異なるんですね~




近鉄の文字が無くなるんですか…↑
↓名泗コンサルタントもいました




Green NINJA!いましたね~↑
↓目に迫力があります




こちらもいました、Pink NINJA↑
↓やはり目が印象的です



私が伊賀線に乗るのはこれで5回目で、
保育所に通っていたときに親に連れて行ってもらいました。
思い出深い路線なので近鉄で無くなるのは少し残念ですが、
伊賀鉄道として新たなスタートを切ってからも、
末永く地域の足として走り続けてもらいたいものです。

2つの近鉄~Part 2~

伊賀上野到着後はJRに乗り換え
伊賀上野→加茂→木津→京都→草津→貴生川
のルートで貴生川に向かいます。
ここで信楽高原鐵道を制覇し、次にもう一つの目的である近江鉄道に乗ります。

第二部として取り上げるのは、省略すると”近鉄”となる近江鉄道のお話。



近江鉄道は滋賀県湖南の田園地帯を走るローカル鉄道。
西部グループに入っており、西武鉄道からの20m移籍車両が殆どで、
当時の趣を色濃く残しているものから大幅に改造されたものまで様々です。
本数は1時間に1~2本と少なく、速度も60~70km/hと遅め。
自動改札が設置されていないので、
乗車券は運賃箱に入れるか駅員に渡すかのどちらかになります。
路線距離が長くワンマン運転が行われているため、養老線のような雰囲気です。
サイクルトレインが運行されているところも養老線と似ています。
基本的に普通のみですが、平日には数本快速も運用されています。
地元では”ガチャンコ電車”・”ガチャ”と呼ばれているようです。



↑彦根・八日市などの地域を除くと大半はのどかな田園地帯です

また、近鉄や京阪とは接続しておらず、
PiTaPaやスルットKANSAIが使用できないので些か不便です。
運賃も米原~貴生川の47.7kmで970円と高めですが、
フリーパスは意外と安く販売されています。
今回貴生川で購入した”びわこ京阪奈線フリーきっぷ
(近江鉄道・信楽高原鐵道の全区間が1日乗り放題)は1000円でした。

因みにこの”びわこ京阪奈線”とは米原から
近江鉄道・信楽高原鐵道を経由しJR学研都市線の
松井山手付近までを結ぶ(かもしれない)路線の仮名で、
滋賀県はヤル気になっているようです。
実際にJRで京都周りで大阪へ出るのは不便なので、
少なからず需要はあると考えます。
(近鉄には既にけいはんな線があるので名称は変わるかも…)



↑米原~信楽を往復すると2,840円かかるので、1000円は破格の安さです
↓左)800系820番台、右)左700系、右800系。
感心するのは全て同じ西武401系からの改造車ということです



↓連結部には扉がありません



近江のVXともいうべき700系の車内。
広告がなく殺風景ですが、やはりクロスシートは乗り心地がいいです↑

全国的にみるとそれほど認知度の高くないかもしれない近江鉄道。
ですがここにも様々なバリエーションがあります。

◆自社車両
◆西武車両
◆2両編成
◆1両編成
◆電気機関車
◆レールバス(留置車両)
◆抵抗制御
◆吊り掛け駆動
◆ロングシート
◆クロスシート
◆西武カラー
◆ライオンズカラー
◆ギャラリートレイン(写真展示)

などです

駅舎は極端に新しいか古いかで二分されているように思います。
古いものは本当に味があります。
時間があるときは途中下車して沿線をぶらぶらと歩きたい、
そんな気持ちを起こさせてくれる鉄道でした。




彦根のヤードにて。全国的にも珍しい電気機関車は今でも現役↑
↓吊り掛け駆動の500系



自社製の220系。こちらも私が好きな吊り掛け駆動です↑
↓ノスタルジックな雰囲気の日野駅



駅前再開発のためにプレハブの駅舎となっている米原駅↑
↓立て替えられた多賀大社前駅



TATA多賀~♪(殴



夕闇の日野にて↑

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今回は本数の少ない路線を多く回るためにダイヤ検索は念入りにやっておきました。
それでは今回のルートのおさらいです。

大和朝倉→〈近鉄〉→伊賀神戸→〈近鉄〉→上野市
→〈近鉄〉→伊賀上野→〈JR〉→加茂→〈JR〉→木津
→〈JR〉→京都→〈JR〉→草津→〈JR〉→貴生川
→〈信楽〉→信楽→〈信楽〉→貴生川→〈ガチャ電〉→八日市
→〈ガチャ電〉→近江八幡→〈ガチャ電〉→八日市
→〈ガチャ電〉→高宮→〈ガチャ電〉→多賀大社前
→〈ガチャ電〉→高宮→〈ガチャ電〉→米原→〈ガチャ電〉→彦根
→〈ガチャ電〉→貴生川→〈JR〉→柘植→〈JR〉→伊賀上野
→〈近鉄〉→上野市→〈近鉄〉→伊賀神戸→〈近鉄〉→大和朝倉


疲れましたが、一日中ローカル線に乗れた実に楽しい一日でした

↓上野市にて